ウール素材の産地

●世界に誇る日本の伝統織物<尾州ウール>
古くは奈良時代から繊維産業が行われていた尾州は、明治24年の濃尾地震を境に毛織物の生産が始まりました。
木曽川流域の豊かな自然環境に恵まれた尾州(愛知県尾張西部地域から岐阜県西濃地域)は、
麻、絹、綿、ウールと時代に合わせて変遷しながら、繊維の一大産地に発展してきました。


そんな尾州産業の強みは、糸から織物になるまで数多くの工程を、同じ地域の中で分業協業していることです。
紡績、撚糸、染色、製織、整理まで、工程ごとに幅広い企業から成り立ち、それぞれに技術が培われています。
この地域で国内生産量の約8割の毛織物が生産されています。


糸に始まり、織物、編み物、仕上げ加工までそれぞれの工程ごとに多種多様なものづくりの技があります。
主となるのは毛織物と言っても実にさまざまで、尾州の素材を一口に語ることはできません。
堅実で実直なメンズ素材、
色とりどりのウィメンズ素材…
各ジャンルの中でまた奥深くたくさんの種類のテキスタイルがある、それが<尾州>の面白いところです。


画像左:撚り方でも布の仕上がりは違う。

糸の表情が変わっていく。
指先ほどの筒に並ぶ針はリリヤーン糸を編む機械。


画像右:生地は整理加工で質感が変わる。
毛羽、艶、縮絨(しゅくじゅう)…
数種類のサンプルを「もとは同じ素材です」といわれても信じがたいほど。